
第49回 労務相談室 賃金スケールの改定
新しい年 2024 年となりました。年始に頭が痛いのは政府からの最低賃金設定による影響と各社での年次賃金調整でしょう。最低賃金設定については前回の労務相談室で取り上げましたが、今回は各社で行った年次賃金調整の賃金スケールへの影響と、賃金スケール改定に伴い行わなければならない対応についてみて行こうと思います。
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新しい年 2024 年となりました。年始に頭が痛いのは政府からの最低賃金設定による影響と各社での年次賃金調整でしょう。最低賃金設定については前回の労務相談室で取り上げましたが、今回は各社で行った年次賃金調整の賃金スケールへの影響と、賃金スケール改定に伴い行わなければならない対応についてみて行こうと思います。
毎年 11 月になると不安を誘う翌年の最低賃金決定ですが、2024 年最低賃金は大変奇怪な感じで設定され、現在もお決まりのデモは行われているとはいえ、何となくこのまま進むのかという雰囲気を醸し出しています。決定前の 11 月初旬には大きなデモが行われ、いくつかの工業団地を封鎖するような過激な動きが約 10 年ぶりに見られましたが、定められた最低賃金は労使ともに想定外の数値でした。時系列的にまとめながら 2024 年最低賃金の動きを見てみましょう。
通称 BPJS と呼ばれる社会保障 Badan Penyelenggaran Jaminan Sosial は労働 Ketenagakerjaan と健康Kesehatan の 2 つに分かれていることは周知の事実です。そしてこの両方に社員を加入させる義務が会社にあることもよく知られています。ただ、その保障や雇用形態の違いによる加入制限などについては正しくご理解されている方が多くないかもしれません。今回は BPJS の詳細を掘り下げてみたいと思います。
これまで雇用契約の前提と契約終了に伴う支払い、賞与や宗教大祭手当を含む報酬設定について説明しました。今回はビザに係る義務や権利、それに伴う雇用契約の記載について取り上げます。
前回は雇用契約の前提と契約終了に伴う支払いについてご説明しました。今回は報酬に係る義務や権利、それに伴う雇用契約の改定について取り上げます。
インドネシア人社員の雇用契約書は人事に任せているけれど、現地採用日本人社員の雇用契約書はインドネシア人社員と全く同じというわけにいかず、駐在員と同じというわけにもいかずということで困惑されることがあるようです。では現地採用者雇用契約書について何回かに渡り気を付けておかなければならないことを列挙してみましょう。今回は契約のタイプと終了時の支払いについてです。
インドネシアでは日系企業の大半が 1 月もしくは 4 月に年次賃金調整を行います。一方で会社に義務付けられているわけではないのですが、日本の賞与の慣習にしたがい年 1 回もしくは 2 回の賞与を支給している会社が多いようです。賞与の支給時期は様々で、決算後かつ日本の賞与の時期の 1 つである 6 月や、もう 1 つの日本の賞与の時期である 12 月に支給する会社が比較的多い傾向があります。いずれも社員の評価を行い、それにしたがって計算する形を取っていらっしゃることが多いのですが、年次賃金調整が 4 月、賞与が 6 月となりますと、評価の時期が近いこともあり、違いが大きく出ません。評価のいい人はどちらもいいし、悪い人は両方悪いということで不満が出ることもあります。この 2 つはどのように違うべきなのでしょうか。
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