労務相談室 第73回 メリハリのある評価 2026.03.30 第73回 メリハリのある評価 毎年発表される最低賃金をもとに、労働組合との合意や会社決定を行った場合、ベースアップ以外に査定結果を加味して賃金調整を行うことが一般的です。けれども部下から提出される評価結果は平均的な評価に偏っており、よい評価も悪い評価もなく、ほとんどの人が同じ評価になってしまっている場合が少なくありません。なぜそのようになってしまうのか、そしてどのようにメリハリのある評価を出せるように指導していったらいいのかを考えてみましょう。 【割り当て人数制は効果的か?】 インドネシア人は「公平」よりも「平等」を望む傾向が強いです。日本では「出る杭は打たれる」と言いますが、インドネシアでは「打たれる」ことはなくとも抜きんでた側が「居心地が悪い」と感じる場合が少なくないようです。だからみんな同じがいいということで、評価も大きな差をつけない傾向が強いです。 そこでメリハリのある評価を目指し、評価ごとに人数を割り当てて、その人数に合わせて評価する会社が少なからずあります。たとえば5段階評価の場合Aが対象社員数の5%、B が10%、Cが70%、Dが10%、Eが5%といった具合です。社員数が多ければこれくらいの割合は妥当ではないかと思われますし、調整も可能なのですが、部署によって人数が少ないとC以外つけられなくなったりすることもありますので、その場合は純粋に評価を行い、最終的に全社的にこの率に合うように調整する場合もあります。とはいえこのように命じられた社員側はどう思うのでしょうか。無理やりそうしなければならないことに不快感を持つ人が多いようです。そして悪い評価の社員に「会社から割り当てられた人数があるから」と説明してしまい、社員の改善につながるような指導ができません。それでは評価をしている意味がなく、昇給や賞与を計算するためだけの評価になってしまいますので、目安としては良くても強制は避けた方がいいでしょう。人数ではなく支給金額の合計で評価を検討させる場合もありますが、こちらの方が多少フレキシブルになります。 【普通でない評価ができない本当の理由】 「普通」という評価は気持ちが楽ですが、どうして普通を超えた、普通に満たないという評価をしにくいのでしょうか。それは達成すべきゴールの絵が具体的に描かれておらず、感覚的に評価するからなのです。達成すべき目標が「良好に」「円滑に」「迅速に」などと書いてあると主観的になり、評価に差が出ます。また能力も「理解している」「知っている」などと表現すると理解しているレベルもいろいろですから、評価があいまいになります。評価があいまいになると文句を言われたくない上司は「普通」ではない評価をしにくくなってしまいます。メリハリのない評価の究極の原因は目標設定のあいまいさにあります。SMARTゴールとしばしばいわれますが、特にM(=measurable)、具体的に図れる設定になっていないことが多いです。目標管理や能力基準では設定時の内容表現精査に時間をかけ、上司と部下で達成状況を確認し、同じレベル認識を持つことが必要です。それができていれば足りない、超えているという判断はずっと説明しやすくなるはずです。 Tweet Share +1 Hatena Pocket RSS feedly Pin it 労務相談室#労務相談室 無料オンラインセミナー 「正しい年次株主総会のやり方」